スーパーニンテンドーワールドで体験できる「キーチャレンジ」とは

先日USJで行われたスーパーニンテンドーワールドのグローバルキックオフイベントにて発表されたインタラクティブコンテンツ「キーチャレンジ」とはどのようなものなのか。

特許資料から読み解いていこうと思う。


1:そもそもどんな技術?

「キーチャレンジ」において使用されるのは米国特許番号10537803B2の「Intaractive Gaming System」と思われる。

↑特許資料における見出し添付画像:概案が図示されている


:特許背景

以下特許資料より抜粋


本特許書類で説明するシステムおよび技術は、ゲストの体験を向上させるさまざまなゲーム環境を含むインタラクティブなゲームシステムを含む。ゲーム環境は、例えばポイントを蓄積したり、他のゲストと競争したり、それぞれに割り当てられた試練を達成したりするために、ゲストが没入できる没入型ゲームを含むことができます。インタラクティブゲームシステムは、遊園地に組み込むことができます。通常、遊園地には、公園のゲストにエンターテイメントを提供する多種多様な遊園地のアトラクションが含まれます。例えば、遊園地には、乗車システム、ライブパフォーマンス、インタラクティブキャラクター、音楽パフォーマンスなどの遊園地のアトラクションが含まれる場合があります。この中で、インタラクティブなゲーム環境などの特定のアトラクションは、本質的に競争力があるため、楽しみが広がります。


これより通常と同形態のテーマパークの中のアトラクションの1つとして魅力向上のために開発されているということが読み取れます。

また、グローバルキックオフプレゼンテーションでも説明があった通り他のゲストと競争を行ったり、ポイントを蓄積も行うということが明記されています。


:特許概要

以下特許資料より抜粋(※意訳あり)


このシステム及び技術では第1のゲームにおける勝者と第2のゲームにおける勝者についての個人の成績などのアクティブユーザープロファイルにアクセスし、第3のゲームを選択するコントロールが可能です。またアクティブユーザープロファイルはどのような段階においてもユーザーの入力情報により更新されます。


恐らく“「パワーアップバンド」により取得したコインやアイテムについての入力やそのスコアに応じた展開を実行できる。”ということではないでしょうか?


※特許資料内では三段階で構成し、詳細説明を行っていますが、実際はどうなのかわかりません。


2:そもそもの定義

・この特許資料の主体である「インタラクティブゲームシステム」における「ユーザーデバイス」について、資料内では以下のように定義し、説明している。


複数のユーザー関連デバイスはそれぞれゲーム環境と情報のやり取りを行い、インタラクティブアクティビティをシステムが提供するゲストの身元を示す信号を送信するように構成されています。複数のユーザー関連デバイスは通信によって結合され、ゲーム環境とのユーザー相互作用の特性およびユーザー相互作用を提供するゲストの個別分類を示すセンサー信号を送信するように構成された複数のセンサーを保有する。


つまり

“「パワーアップバンド」と同期化したスマートフォンや「パワーアップバンド」そのものがシステム(ゲーム環境)と情報のやり取りを行い、ゲストを判別する。これにおけるスマートフォンや「パワーアップバンド」をユーザーデバイスとする”

ということだ。


「ゲームコントローラー」の定義と説明


命令を格納するメモリデバイスと、プロセッサは、送信されたセンサ信号を受信するために、メモリデバイス、複数のインタラクティブゲームセンサー、および複数のユーザ関連デバイスに通信により結合され、プロセッサは、メモリデバイスに格納された命令を実行するように構成され、プロセッサによって実行されると、プロセッサに以下を実行させるように構成されます。

・プロファイルと受信したセンサー信号に基づいてゲーム環境を更新。

・ユーザーのプロファイルを他のプロファイルと比較。

・他デバイスのプロファイルの各プロファイルは、ゲーム環境内の他のユーザーに対応する。

・比較に基づいて、ゲーム環境でのユーザーのスコアを決定する。

・決定されたスコアに基づいて、ユーザーが特別なゲーム環境に参加する資格があることを示す。

・ユーザープロファイルを特別なゲーム環境への有効なエントリーに関連付ける。


つまり

”ゲームコントローラーはメモリとプロセッサに分類され、プロセッサがメモリや外部のセンサーやユーザーデバイスとやりとりをおこない、他のゲストとスコアを比較、次のステージへのエントリーをユーザープロファイルに付与させる”

ということだ。


3:特許の内容

長い長い前置きはここまでにして、本編へ…


特許資料をすべて解説するのは不可能なので(専門用語が多く、一般説明しにくい)、要所要所を訳して、説明していきたいと思う。


※ここまでで疲れた方は別の日に見てください。


(1)ゲームについて


インタラクティブゲームシステムは、任意の適切な数のインタラクティブミニゲーム(以下、ゲーム環境、例えば「第1のゲーム環境」または「第2のゲーム環境」と呼ぶ)を含むことができる。たとえば、ミニゲームには、モンスターと戦ったり、事前にまた異なるミニゲームを完了する必要があるタスクを達成するなど、大きなゲームよりも小さなミッションやタスクを含めることができます。大型のゲームへの参加(ボスモンスターとの戦いなど)は、ミニゲームでのプレイヤーのパフォーマンスによって決定される場合がある。


(2)スコアについて


ほぼリアルタイムでインタラクティブゲームシステムのさまざまなゲーム環境にわたってスコアを統合します。各プレーヤーのアクティブユーザープロファイルは、各プレーヤーによる各ゲーム環境の体験後または体験中に、データの中でも特に、総合的なゲームシステム全体のプレーヤーに関連付けられたチーム全体のスコアと個人のスコアを提供します

アクティブユーザープロファイルは、チーム全体のスコア、個人のスコア、経験値など、ゲームシステムに関連するデータの検索と保存を促進する場合があります。ゲームを体験するプレイヤーは、1つまたは複数のユーザー関連デバイスを介してインタラクティブゲームシステムを体験することができます。たとえば、プレーヤーは、プレーヤーが着用する(たとえば、手首の周り)ユーザー関連デバイス(たとえば、ウェアラブルセンサー)を使用し、経験値、チームスコア、および個人のスコアの蓄積を促進し、それにより、対応するユーザー関連デバイスを装着しているプレーヤーに対応するアクティブユーザープロファイルを更新する。そのため、個々のアクティブユーザープロファイルは、対応するユーザー関連デバイスにリンクされる場合がある。


インタラクティブゲームシステムにおけるチーム、個人のスコアはユーザー関連デバイスにより集計されるということです。


(3)全体にわたるシステムの概要

様々なゲーム環境の勝者には、ゲーム環境を勝ち取るための報酬として、経験ポイント、個人スコア、およびチームスコアに加えてキーを与えることができる(例えば、ゲームタスクを達成することにより、最高の個人のスコア、最高のチームスコアの累積)。キーを与えられた勝者は、個々の勝者、勝者のチーム(例えば、複数のプレーヤー)、またはそれらの何らかの組み合わせであり得る。例えば、第1のゲーム環境は、1つのキーを受け取ることができる1人の勝者を含むことができる。、第2のゲーム環境は、それぞれ1つのキーを受け取ることができる2人の勝者を含むことができ、n番目のゲーム環境5、それぞれ1つのキーを受け取る3人の勝者を含むことができる。例示的な図示の実施形態では、勝者は、ゲーム環境のそれぞれに対応する各スターで標識されます。したがって、例示された実施形態では、ゲームフィナーレは、合計6人の勝者(例えば、第1の勝者、第2の勝者、および第3の勝者)を含み得る。)がゲームフィナーレに参加する資格があります。


このシステムにおいて、フィナーレには途中過程のゲームの結果が適用されます。


↓添付図




以下は、特許資料内において記載されている、環境の例です。

実際にこのようになるのかは不明です。


(4)第一のゲーム環境について

第1のゲーム環境は、タイマーによって計測される特定の持続時間(例えば、5分間)を有してもよい。さらに、タイマーは、触覚センサーを点灯させたり、周期的またはランダムにそれを露出させたりすることができる。プレーヤーは、計測される持続時間中にできる限り多くの触覚センサーをタップして(例えば、触覚センサーが点灯したとき)、それぞれの個々のスコア、チームスコア、そして経験ポイントに反映する。したがって、最も触覚センサーをタップしたプレーヤーまたはチームが勝者として宣言される場合がある。


ユーザ入力(例えば、触覚センサーへのタップ)に関連付けられたデータは、トランシーバを介して「インテリジェントタップポイント」組み込みコンピュータに送信されてもよい。また、「インテリジェントタップポイント」組み込みコンピュータは、ユーザに関連付けられたデバイスに関連するデータを受信してもよい。また、特定の触覚センサーは、キーに関連付けられてもよい。触覚センサーをプレイヤーがタップしている適当な時点で、キー得てもよい。


(5)第二のゲーム環境について

第2のゲーム環境は、例えばパズルを組み立てるために、様々なプレーヤーがチームに分割され、大画面上の大きなタッチパネルおよび小画面上の小さなタッチパネルと相互作用するインタラクティブなゲーム環境であり得る。プレーヤーからのユーザー入力は、パズルを組み立てるための適切なスポットにパズルピースを配置するための大きなタッチパネル上のパズルピースのタップ、ドラッグ、またはフリックであり得る。パズルのピースをタップ(例えば、小さなタッチパネル上にあるもの)、またはパズルのピースを組み立て(例えば、大きなタッチパネル上にあるもの)、それらのデータをゲーム制御システムまたは制御システムに送信して、プレーヤーのアクティブユーザプロファイルを更新する。パズルを最速で組み立てるチームが勝者と宣言されてもよい。


第2のゲーム環境の雰囲気は、アクティブユーザープロファイルに応じて照明コントローラーを介して向上させることができる。第2のゲーム環境内の照明効果(メタルハライドプロジェクターランプおよび超高性能(UHP)プロジェクターランプ、2Kプロジェクター、4Kプロジェクター、光ファイバートラック、エレクトロルミネセンス光源、発光ダイオード(LED)を含み得る)、RGB(赤、緑、青)レーザー、およびハイブリッド光源(水銀灯、蛍光灯など)を制御する。


(6)フィナーレゲーム環境について


フィナーレゲームに関連付けられたゲーム環境ではアクティブユーザプロファイルに基づいてカスタマイズすることができる。インタラクティブゲームシステムへの参加を通じてプレイヤーによって蓄積された経験ポイントを個人化する。すなわち、制御システムは、プレーヤーに関連付けられたデータ(例えば、経験値)を受け取ることができる。データは、後で使用するために(たとえば、ゲームフィナーレで)保存してプレーヤーに関連付けることができます。例えば、プレーヤーは、1つ以上の以前のゲーム環境で特定のキャラクター(例えば、悪役キャラクター)とバトルすることができ、それにより、制御システムは、特定のキャラクターをプレイヤーに関連付け、その関連付けを記憶装置に保存し、ゲームフィナーレ中にキャラクターを再び表示する。ゲームのフィナーレはチームベースのゲーム環境、個人ベースのゲーム環境、またはそれらの何らかの組み合わせであってもよい。


4:最後に

ユニバーサルスタジオパークにとって、過去最大の転機になるであろう「スーパーニンテンドーワールド」にこのようなインタラクティブ要素が導入されることがとても楽しみです。


未だ見たことがない、世界にそこでしか体験できないアトラクション達がそこで待っていることを期待しています!!



記事:Scoop.J(イタリア行ってて遅くなって申し訳ないです。)



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